OpenPGPは実は各種SNSと相性がいいのかもしれない、ということで考えてみます。
OpenPGPはテキストベースでも使いやすい
OpenPGPはテキストにアーマー化することを標準でサポートしています。S/MIME(PKCS #7)などに比べると様式にうるさくなく、日記の内容として貼り付けることができるし、読む側もコピペで読むことができます。
信用の輪との互換性
これは使用しているユーザーがそれなりいれば、の話ですが、SNS同士の人が鍵に署名していけば信用の輪が実現できます。(ただ、もちろん、SNS上での信用の輪というのはそれなりの信用しか持ち合わせていないのでSNS専用の鍵ペアを用意するなどの検討が要りますが。ただし、この場合でも本人のものであると確認が取れたものは本運用の鍵で署名することによりさらに「強い認証」をつけることは可能です。
秘匿メッセージ
OpenPGPの秘匿メッセージは受信者のアイデンティティを秘匿することができます。つまり、この状態のメッセージを全公開設定にすることにより、誰にメッセージを宛てているかを秘匿することができます。複数の人(宛て先でない人も含む)のアクセスも想定するとSNSシステムでさえ誰がそのメッセージへのアクセス件があるかがわからなくなります。(ちなみに秘匿メッセージは作成はGnuPGが必要ですが、復号はPGP 10以降でも行うことができます。)
SNSシステムによるデータマイニング、囲い込みを最小化できる
これは暗号化一般的に言えることですが、暗号化したメッセージはSNSシステムは読むことはできません。つまりデータマイニングなどを防ぐことができるほか、上記の信用の輪が成り立っていれば、ソーシャルグラフをそのまま外に持っていくことができます。まあ、データマイニングや囲い込みを気にするのであればなぜSNSを使うのか、ということにもつながってきますが。ただ、全部のメッセージはともかく、時と場合によって使い分けることによって強力な情報伝達手法になるのではないかと思います。
ほとんどの場合SNSの顧客はそのユーザーではないため1、必ずしもユーザーの利便性、利益、安全性のために動いてくれるとは限りません。自分の安全は自分で守らないといけません。
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広告主やコンテンツプロバイダーがその顧客。 ↩︎